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札幌の中心で“きなこ愛”を叫ぶ!〈株式会社 坂口製粉所/北海道札幌市〉

札幌市中心部に本社を構える坂口製粉所は、2021年12月に創業100年目を迎える老舗企業です。
日本一のきなこ屋」の目標を掲げ、北の大地できなこを作り続ける皆さんの“愛”に迫ります。

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門外不出の製造現場に潜入! 大豆が“きなこ”に変わるまで

きっと、誰でも一度は見たことがあるオレンジ色のパッケージ。「きなこといえば坂口製粉所」と思い浮かぶほど、北海道の家庭に根付いている味です。坂口製粉所の始まりは1922年(大正11年)で、精米業を中心にスタート。昭和に入ると製粉業にも着手し、その技術を生かしてきなこの製造を手掛けるように。以降、地道な努力を重ね「北海道のきなこ屋」へと成長してきました。

今回、きなこを特集するにあたり読者の皆さんから寄せられた声で多かったのが「きなこってどうやってできるの?」というギモン。そこで白石区にある米里工場にお邪魔し、製造現場を見せていただきました。

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砂釜で一度に90kgの大豆を焙煎。粉砕しやすくするために、煎った後はすぐに撹拌して熱を飛ばす

米里工場は前・菊水工場の老朽化に伴い、11年前に建てられた新しい工場でISO22000(食品安全マネジメントシステム)も取得しています。会話がかき消されるほど大きな機械音が鳴り響く場内は、まさにきなこの製造中。大豆の焙煎から粉砕まで、流れるように行われていました。きなこは〝生の大豆を煎って挽き、粉状にしたもの〟。そのため工程は至ってシンプル!そこがポイントで「シンプルだから難しい」。いつ食べても変わらない、安定した品質を維持する上で重要なのが焙煎の工程で、「どのくらい火を入れるか?」を見定めることができるのは、経験によって磨かれた〝職人の感覚と技術〟だけです。季節や気候、気温、微妙な変化を読み取り、毎日細かに調整しています。

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使用する大豆は北海道産がメイン。焙煎具合もそのつど、人の目で確認しながら微調整を行う

工場には、砂釜とクリーンロースターと呼ばれる2つの釜があり、大豆の品種に合わせて使い分けながら焙煎。原料の大豆は付き合いの長いメーカーから仕入れており、互いの信頼関係によって〝坂口製粉所のきなこに合う大豆〟を厳選し使用。素材に絶対の自信があるからこそ、持ち味を生かすことを一番に考えてベストな製法をとっています。

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仕上がりに違いがないか、その場でできたてのきなこと見本品を手に取り、職人が“色合わせ”

焙煎を終えた大量の大豆が釜から出てきました。熱気が立ち、触らずともアツアツなのが伝わってきますが、ご好意で特別に〝煎りたて〟を試食。煎ることで生まれる独特の香ばしさ、後から豆の甘みが広がります。撹拌して熱を冷まし、粉砕の機械へ。丸い大豆が雪のようにきめ細やかな〝きなこ〟に変身し、軽やかに舞いながら袋詰めされていきます。

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 スタンダードなきなこ

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 青大豆のうぐいすきなこ

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 黒大豆を使ったきなこ

「毎日が修業、一生修業。でも、だから楽しいですね」作る人・渡部さんの〝きなこ愛〟 

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製造部兼品質管理部 部長
渡部晴男(わたなべ はるお)さん

これだけ長く、北海道で愛され続けるきなこを支えているのは、どんな方々なのでしょう?まずは製造現場を取り仕切る、渡部さんにお聞きします。渡部さんのお父さんはなんと、菊水工場時代に工場長を務めていた人物。晴男さんはいわば〝きなこ製造界のサラブレッド〟です!

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近年は若い職人も少しずつ増え、渡部さんは次世代への技術継承と人材育成に力を注いでいる

「当時は工場に住み込みで、私は5歳の頃から菊水工場が〝家〟だったので、きなこに囲まれて育ったようなものですね(笑)。卒業後は他の業界で働いた時期もありましたが、父の背中を見て『楽しそうだな』と思っていましたし、実際に入社して同じ職場で働くようになってからは家に帰っても、父とよく仕事の話をしましたよ」。

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渡部さんが育った菊水工場。「工場での思い出や見た風景は、今でも鮮明に記憶に残っています」

職人歴20年を超える渡部さんですが今も大豆を前に迷い考え、毎日が修業だと謙虚な姿勢を貫きます。

「大豆は自然のものですから形も大きさも全く一緒、はありません。季節で味や色などがブレないように豆の状態を見ながら、その時々のベストを常に模索しています」。

親子でつなぐ、きなこ愛。実は渡部さんの息子さんもこの仕事に興味を持っているそう!新たなバトンが渡る日も近いかもしれません。

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渡部さんにとって〝きなこ〟とは?
工場住まいの子どもの頃から、一番身近なおやつでした。食べると当時の記憶が鮮明によみがえります。

「たくさんの方においしさとみんなの思いを伝えられたら」売る人・佐々木さんの〝きなこ愛〟

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営業部 課長
佐々木康介(ささき こうすけ)さん

佐々木さんは製造部の皆さんが作ったきなこを販売するのがお仕事。コープさっぽろの担当が長く、意外な歴史も教えていただきました。

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本社、米里工場と合わせて、従業員数は22名。「地元の素材を原料に、地元・北海道で製造する」がモットー

「弊社のきなこの製造はもともと業務用が主で、家庭用は手掛けていませんでした。着手のきっかけになったのは、コープさっぽろのバイヤーさんのご提案からです。3代目代表が当時のバイヤーの方と懇意にしており、時代の流れを読みながら『大量から少量へ』と両者の思いが一致したのでしょうね。今では家庭用きなこが弊社の柱となっています」。

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「ただ売るだけではなく、作る人の思いものせて」。全員の愛が凝縮されている、自慢のきなこ。

坂口製粉所が最もこだわっている味の良さ。砂糖を加えなくてもおいしく食べられる〝自然な甘さ〟が特徴です。

「初めて食べてファンになってくれる方、他社の品を試してまた戻ってきてくれる方。お客様のいろいろな声を聞く中で、味の良さに関しては絶対の自信を持っています。また、暑い日も寒い日も一年中、釜の前に立ち続ける製造スタッフの姿を見ていると『みんなの気持ちを伝えるのも私の仕事』だと痛感します。商品の良さを知っていただくと同時に、込められた職員全員の思いも一緒にお届けしたいという気持ちですね」。

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佐々木さんにとって〝きなこ〟とは?
より多くの方に魅力を知っていただけるよう、新たな食べ方の提案など付加価値を上げていきたいです!

「まもなく100年の節目。いい意味で型破りでありたい」営む人・坂口さんの〝きなこ愛〟

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代表取締役社長
坂口幸司(さかぐち こうじ)さん

トリは、坂口製粉所の代表を務める坂口幸司さんです。初代は創業者である幸司さんの祖父、2代目は祖母、3代目の父、4代目の母に続き2014年5代目代表に就任しました。幸司さんはお姉さんと二人きょうだい。代々続く家業に関して「いつか自分が」と感じていましたが、その道は予想よりも早く目の前に。

「父が他界したのは、私が19歳のとき。母が代表を務めることになりましたが、私自身、若過ぎて父から何も教われないまま受け継ぐことが決まったという感じでしたね」。

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創業からの歴史を感じさせる、昔の看板や前掛け。貴重な品々が飾られている米里工場

父・幸三さんは先見の明に長けた経営者で、家庭用きなこの製造を皮切りに業務を拡大。菊水の工場や社屋も新設したほか、長年きなこを研究していた医師との出会いから、きなこと牛乳を組み合わせたドリンクを全国の同業メーカーに先駆けて提案。今や大定番の〝きなこ牛乳〟は、坂口製粉所の3代目が世に送り出したものだそう。アイデアマンだった父に対するプレッシャーは今も、と幸司さん。

「ありがたいことに北海道の方々には名前を知っていただいていますが、本州ではまだまだ。全国へ向けてどう風穴を開けるか、私の代でチャレンジ&クリアしたい課題ですね」。

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「ハレの日以外も気軽に親しんでほしい」と皆さん。きなこを広めるために、坂口さんは学校で出張授業を行うことも

大豆を煎って挽く。きなこの製造は古くから型が決まっていますが、5代目いわく「型があるからこそ破りたい」。100年の重みを胸に、新たな価値の発掘に向けて笑顔で叫ぶのは「目指せ、日本一のきなこ屋!」。

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白いきなこやパンに塗るペースト状のきなこなどアイデア商品もあり、常に新たな可能性を探る

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坂口さんにとって〝きなこ〟とは?
きなこ屋に生まれた宿命で(笑)。皆さんにも「いつもきなこがある生活」を楽しんでいただけたら嬉しいです!

コープさっぽろで取り扱いの商品はこちら

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①コープさっぽろ なるほど商品 
香ばしい深煎りのきな粉

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②黒千石きなこ

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③焙煎丸大豆きな粉(小)

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④黒大豆きな粉

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⑤青豆きな粉

【店舗】①は全店でお取扱いしています。その他は商品によりお取扱いのない場合がございます。
【宅配】⑤は12月第4週の週刊トドックで、②④⑤は保存版カタログ「いつでもトドック」でご案内いたします。

取材・文・編集/青田美穂 
撮影/石田理恵 
デザイン/佐孝優

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お米や牛乳など、重たいもののお買い物はコープさっぽろの宅配システム「トドック」におまかせください。アプリ・WEBでカンタン注文!玄関先までお届けします。

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Cho-co-tto(ちょこっと)は、宅配事業と店舗で北海道の組合員さん180万人の食を支える、生活協同組合コープさっぽろの広報誌。毎月57万部発行しています。 「安心して子どもに食べさせられるものが見つかる」をテーマに、毎日の食事がちょこっと楽しくなる記事をお届けします。